離婚後すぐに申請したのに、児童扶養手当(母子手当)が貰えなかった——そんな経験はありませんか?
実は、離婚直後の厳しい家計であっても、申請してすぐに支給が始まるとは限らないんです。
テンコ私もすぐに支給されなかったひとり。離婚後、家計が一番苦しく、不安でいっぱいだった時期に、すぐには支給してもらえず、しばらくは貯金を切り崩す日々が続きました。
その理由は、「児童扶養手当(母子手当)の判定基準」にあります。この記事では、多くの人が知らないまま申請してしまう、この「母子手当の判定基準」を深掘りして解説します。
最後まで読めば、自分が児童扶養手当(母子手当)をすぐに支給してもらえる年収(所得)にあるのかが分かり、それを見据えた生活設計ができるようになります。
制度を正しく理解して上手に活用すれば、無理をせず、損しない働き方を選べるようになります。
児童扶養手当(母子手当)が貰えない年収は?
全部支給・一部支給・支給停止の早見表(所得ベース)
母子手当には「全部支給」「一部支給」「支給停止(0円)」の3段階があります。



「年収はいくら?」と検索する人が多いですが、実際の判定は年収ではなく「所得」で行われます。
| 扶養親族の数 | 全部支給(所得) | 一部支給(所得) | 収入ベース ※給与年収目安 |
|---|---|---|---|
| 0人 | 69万円まで | 208万円まで | 334万3,000円 |
| 1人 | 107万円まで | 246万円まで | 385万円 |
| 2人 | 145万円まで | 284万円まで | 432万5,000円 |
| 3人 | 183万円まで | 322万円まで | 480万円 |
※収入ベースは給与収入のみのざっくりした年収目安の換算です。控除や働き方で前後するため、判定はあくまで「所得」で確認してください。



生計を同じくする18歳未満の同居のお子さんが、アルバイトなどで一定の所得を超えた場合、扶養から外れ、扶養人数にカウントされません。
- 全部支給の枠内 … 満額(第1子 月48,050円ほか)が貰える
- 一部支給の枠内 … 所得に応じて減額されながら貰える
- 一部支給の上限超え … 支給停止(0円)
「年収」と「所得」は違う
検索では「年収」で調べる方が多いのですが、役所が見ているのは「所得」です。
- 会社員の所得 … 年収−給与所得控除
- 自営業者の所得 … 売上 − 経費
つまり同じ年収でも、控除や経費で「所得」は変わります。早見表の数字は所得で見るのがポイントです。
自分がどこに当てはまる?確認方法
- 源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を見る(または確定申告書の所得金額)
- 養育費をもらっている場合は、その8割を足す
- iDeCoや医療費などの控除を引いて「判定用所得」を出し、早見表と照らす
児童扶養手当(母子手当)の算定のしくみ
- 基準になるのは「前年(または前々年)の所得」
- 所得から引ける控除(社会保険料・各種控除)
- 養育費は8割が所得に加算される
- 使える控除で判定用所得を下げられる
- 扶養人数(子どもの人数)で基準額が変わる
基準になるのは「前年(または前々年)の所得」
母子手当は、その年に稼いだお金ではなく、過去の所得で判定されます。毎年11月に判定基準となる年が切り替わります。
- 11月〜翌年10月分 … 前年の所得で判定
- 1月〜10月に申請した場合 … 前々年の所得で判定される時期がある



「今は収入が少ないのに貰えない」というケースは、たいてい判定対象の年に稼ぎが多かったことが原因です。
所得から引ける控除(社会保険料・各種控除)
判定用所得は、次の式で計算されます。
判定用所得 = 合計所得 +(受取養育費 × 80%)− 8万円(社会保険料相当の一律控除)− 諸控除
該当する「諸控除」の額が多ければ、全体の所得が下がり、手当の額が増える可能性があります。
養育費は8割が所得に加算される
見落としやすいのが養育費です。受け取った養育費の8割が所得として加算されます。
控除で判定用所得が下がる
次の控除を申告すると、判定用所得が下がって手当が増える可能性があります。給与所得者であれば、年末調整で自動的に控除が反映されます。



医療費控除や雑損控除は確定申告をしないと反映されないので、該当する場合は忘れずに申告しましょう。
- iDeCo(小規模企業共済等掛金控除) … 掛金が全額控除
- 医療費控除 … 年間10万円を超えた分
- 障害者控除 、勤労学生控除… 一人につき27万円
- 特別障害者控除…一人につき40万円
- 社会保険料控除…一律8万円
- 雑損控除…災害などで資産に損害を受けた場合
扶養人数(子どもの人数)で基準額が変わる
早見表のとおり、扶養している子どもが多いほど所得の限度額は上がります。子どもが増えれば、貰える年収のラインも上がる仕組みです。
子どもの人数別|児童扶養手当(母子手当)の支給額の目安
第1子・第2子・第3子以降の月額(全部支給)
| 対象 | 全部支給(月額) |
|---|---|
| 第1子 | 48,050円 |
| 第2子以降(1人につき加算) | 11,350円 |
第3子以降も第2子と同額の加算になっています。



たとえば子ども3人を全部支給で受給する場合、48,050円 + 11,350円 + 11,350円=月70,750円が目安です。
一部支給額の決まり方(所得が増えると減る仕組み)
全部支給の限度額を超えた所得に応じて10円単位で減っていきます。正確な金額は自治体の計算式で決まります。「働いた分まるごと損」にはなりませんが、所得が上がるほど手当は薄くなります。
貰える年収に抑えて損しない働き方
手当と給与、トータルで手元に残る額で考える
大事なのは「年収の数字」ではなく「手当+給与で、最終的にいくら手元に残るか」です。給与が増えても手当が減れば、差し引きで思ったほど増えないこともあります。
「働き損」になりやすい年収ライン
所得が限度額を“わずかに”超えると、
- 手当の減額分が給与の増加分を上回る
- 住民税が課税され、医療費助成や給食費補助などを失う
といったことが重なり、世帯全体の収入がかえって減る「働き損」が起こり得ます。実際、ひとり親の約3割が「所得制限を意識して働く時間を抑えた経験がある」と回答しています。
それでも収入を増やすべきケース
一方で、手当に合わせて収入を抑え続けると、手当が終わったあとの生活が苦しくなるリスクもあります。子どもの年齢や手当の残り期間を見て、「今は手当を取りにいく時期」「今は収入を伸ばす時期」を切り替える視点も大切です。
よくある質問(FAQ)
- 去年は貰えたのに今年から止まったのはなぜ?
-
多くは前年の所得が上がったか、養育費の加算が影響しています。また、毎年8月の「現況届」を出さないと11月分以降が止まるため、提出忘れも原因になります。
- 収入が0円でも止められることはある?
-
あります。親や兄弟と同居している場合、扶養義務者(同居家族)の所得も判定対象になり、その所得が限度額を超えると本人に収入がなくても全額停止になることがあります。判断は自治体によって確認が必要です。
- 年金をもらっていても受給できる?
-
遺族年金・障害年金などを受けていても、年金額が手当額を下回る場合は差額を受給できる場合があります。
- 貯金があると母子手当は貰えない?
-
いいえ、貯金額は審査の対象になりません。母子手当(児童扶養手当)の判定は、あくまで「所得」で行われます。預貯金がいくらあっても、所得が限度額の範囲内であれば受給できます。
まとめ|児童扶養手当(母子手当)の判定基準を理解して、計画的に働こう
最後におさらいです。
- 児童扶養手当(母子手当)の判定基準は前年または前々年所得
- 1〜10月:前々年所得、11〜翌年10月:前年所得で判定
- 養育費を貰っていれば、その8割が所得に換算される
- 子どもの人数や対象控除も判定に影響する
- 申請者と扶養家族の所得が限度額を超えていないか確認
母子手当は「年収」ではなく、養育費の加算や控除を反映した「判定用所得」で決まります。だからこそ、
- 自分がどこに該当するかを確認する
- iDeCoや医療費控除があれば必ず確定申告する
- 手当+給与のトータルで働き方を決める
この3つを押さえておけば、「知らないうちに損していた」を防げます。



まずは源泉徴収票を手元に、自分の判定用所得を計算してみてくださいね。
生活費の全体像から働き方を逆算したい方は母子家庭、いくらあれば生活できる?で詳しく解説しています。


最後までお読みくださりありがとうございます。
ではでは。











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